AWS におけるインスタンス構成のメリット・デメリットを解説

AWS 上に WordPress 環境を構築するには、単体インスタンス構成と複数台インスタンス構成にするかの選択肢があります。

”単体” と” 複数台”のそれぞれの構成にはメリットとデメリットが存在するため、それらを理解することで、自社にはどちらのパターンで構成すればよいかを判断する基準にできます。

今回はこれらのインスタンス構成についての解説と合わせて、インスタンスの種別についても紹介していきます。

単体インスタンス構成

単体インスタンスとは、今回の場合は EC2 一台で構成されているものを指します。

メリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット

WordPress では、管理画面から画像ファイルだけではなく、プラグインやテーマのアップロードや、本体のアップデートが可能なため、Web サーバ複数台構成にするとそれらのファイルの同期が難しくなります。

そのため、基本的にはEC2 一台で構成するのが簡単で分かりやすいです。

デメリット

リクエスト増加などでサーバ負荷が上昇した際の対応として、スケールアップ(垂直スケーリング)といった、EC2 のインスタンスタイプ変更での対応しかできません。

また、リアルタイムに負荷を検知して対応を行なうといった自動化も難しいため、そうした懸念がある場合には他の構成を検討しましょう。

複数台インスタンス構成

この構成ではいくつかのパターンがあるため、それぞれについて解説しながら、メリットとデメリットを紹介していきます。

EFS を使用したパターン

このパターンでは、管理画面からアップロードされるファイルを複数台の EC2 で共有するために EFS ( Elastic File Service ) を使用します。

また、リクエストを分散させるために ALB ( Application Load Balancer )も採用することを前提に解説します。

メリット

EFS を使用するメリットは、リクエスト増加などでサーバ負荷が上昇した際の対応として、EC2 の台数を増やす( スケールアウト・水平スケーリング)を行うことができることです。

これによって、自動化できるのでサイト運用が格段に楽になります。

DB サーバとして Aurora MySQL を採用すれば、Aurora MySQL の機能を使って、そちらも負荷上昇時に自動的にスケールアウトすることが可能になります。

スケールアウトは、AWS の AutoScaling の機能を使用することで自動化できるので、負荷上昇にも自動で対応できるようになります。

デメリット

デメリットとしては EFS の I/O が EBS よりも遅くなりがちなので、ファイルキャッシュを使用する・CloudFront などでキャッシュするなどの対応が必要です。

EFS を使用しないパターン

管理画面からアップロードされるファイルを EFS で共有するのではなく、WordPress のプラグインなどを使用して S3 にアップロードさせ、そちらから配信させるようにするパターンの解説をしていきます。

メリット

EFS を使用するパターンに比べ、ディスクの I/O が高速な EBS を使用できるので、パフォーマンスはよくなります。

デメリット

通常のサーバのように SFTP などでファイルのアップロードを行ったり、WordPress の管理画面からプラグイン・テーマのアップロードや、本体のアップデートを行ったりすることはできなくなります。

こうした作業を行いたい場合は、 AWS Code Deploy などのサービスを使って、EC2 にソースコードを配布するための仕組みを作成しておく必要があります。

参考サイト:

https://aws.amazon.com/jp/codedeploy

https://dev.classmethod.jp/articles/re-introduction-2022-codedeploy/

インスタンス種別

ここでは4つのインスタンス種別について解説していきます。

オンデマンドインスタンス

通常のインスタンスです。長期契約なしで、時間または秒単位 (最低 60 秒) で支払うものになります。

リザーブドインスタンス

長期契約( 1年または3年 )をすることで、割安(最大72%減)で使用できるインスタンスのことです。

ただし、契約期間内で使用しなくなった場合でも、支払い済みの使用料金の返金はないため、計画的に購入する必要がある点に注意が必要です。

スポットインスタンス

AWS 内での余剰インスタンスを格安(最大で 90% 減)で使用できるインスタンス。

最初に使用価格を決めておき、それ以下で使用できるようであれば利用ができるという仕組みです。

余剰インスタンスが少なくなってくると、インスタンスが使えなくなることもあるので、全てをスポットインスタンスで構築すると利用できなくなることもあります。

https://aws.amazon.com/jp/ec2/spot/

Saving Plans

リザーブドインスタンス同様に 1 年または 3 年の期間で特定の使用量 (USD /時間で測定) を契約するかわりに、オンデマンド料金と比較して低料金を実現する料金モデルです。

EC2 だけでなく、Lambda や Fargate といった他のコンピュートサービスにも適用可能となっています。

https://aws.amazon.com/jp/savingsplans/

まとめ

今回は、AWS 上に WordPress 環境を構築する際の

・単体インスタンス構成

・複数台インスタンス構成

のメリットとデメリットを紹介してみました。

しかし

「これだけでは判断できない」

「結局どうすればいいかわからない」

といった担当者もいらっしゃるかと思います。

そんな時は当社にご相談ください!

当社は設立当初から WordPress を取り扱っており、AWS に関してもセミナーへの参加や登壇、コミュニティへの貢献など、多方面の知識を持っています。

そのためお問い合わせいただければ、専門のスタッフがお客様のニーズをヒアリングさせていただき、ご希望に応えられる提案をさせていただきますので、右下のチャットボタンからお問い合わせください。

詳しくは下記ページよりご覧ください。

https://labworks.digitalcube.jp/services/

また、WordPress 専用のフルマネージドホスティング「Amimoto」も提供しています。特徴は下記よりご覧ください。